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2007年4月例会(第127回)
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劇団文化座 ここをクリック
原作 / 浅田 次郎 脚本 / 八木 柊一郎 愛と勇気と再生の物語。 『天国までの百マイル』 母の命を救うため、天才的な心臓外科医がいる |
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と、平凡に歩んでいく小説と、あまり恵まれない人生を歩んでいく小説というのがあります。この「天国までの百マイル」というのは、そういう私の子どもたちの中では最も幸福な人生を歩んだ小説ではないかなと思っています。 発表した途端から、色々な形の媒体から映画化やドラマ化の話が参りまして、また今度はこちら(文化座)から舞台の話までまいりまして、その都度、多くの方たちに読んでいただけるという大変幸福な作品であります。 この幸福さというのは、この小説の性格にあるのではないかなという風に思っています。どういう性格かというと、これは理屈のない小説なんですね。とっても分かり易くて、もともとぼくの小説というのはそんな理屈っぽいものではないんですけど、その中でも、一番理屈抜きで、誰にでも分かるお話じゃないかなって思っています。ただし、そういう性格の小説であるだけに、これをいざ映画やテレビやお芝居にするという段になると、かえって難しいらしいですね。つまり、あまりに当り前で、どなたの身の上にも起りそうなことであるだけに神経質にならなければならないし、言葉のひとつひとつにも気をつけなければならないし、又、妙なことを言うとかえってすごくくさいお話になってしまうというようなことで、おそらく関係者の方々も大変ご苦労をなさっていると思います。 しかし、そうは申しましても、自分の書いた物語が、このように色々な形でまた観客の方にご覧になっていただけるというのは、とても嬉しいことでありまして、ぜひ私も舞台の幕が上がりましたら、真っ先に来て拝見いたしたいと思っています。 どうぞ宜しくお願いいたします。 |
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| 脚本:八木柊一郎 1928年神奈川県生まれ。51年「真木とノオトと二人の女」を発表して、劇作家としてデビュー。60年安保の時、木下順三、宮本研らと劇作家グループに参加する。62年「コンベヤーは止まらない」で岸田戯曲賞、70年「空巣」で芸術祭優秀賞。95年「カラマーゾフの兄弟」ほかで芸術選奨文部大臣賞を受賞。文化座では「遠い花―汝が名はピーチ・ブロッサム(00年)」「故郷(98年)」「あかきくちびるあせぬまに(89年)」などを執筆。 |
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| 演出:原田一樹 劇団キンダースペース代表。90年〜91年ACC(アジアン・カルチュラル・カウンセル)の招聘により、ニューヨーク留学。三重県・石川県中島町・佐世保市など、地域でのワークショップ指導、演出。静岡県舞台芸術センター、彩の国さいたま芸術劇場制作作品演出。 代表作「えれくとら」「新・新ハムレット」(キンダースペース)、三島由紀夫「サド公爵夫人」(公共ホールネットワーク事業) この作品は余り理屈がないドラマだと原作の浅田先生は仰っていますけれども、ぼくはそこにむしろ色々なものを感じまして、今、劇団の人たちとも一生懸命話し合いながら稽古をしていますが、これはやはり、主人公の安男というのが、新しい出会いを重ねていくドラマなんじゃないのかなと思っています。 主人公の安男はバブルが弾けたことによって、会社などそれまでに得たものをいっぺん全部失っている。この失うということが浅田先生の作品のひとつのモチーフになっているんじゃないか、と思います。何かを失った喪失の中からこそ新しく出会っていけるんだということが今、浅田先生の小説がこれほど爆発的に読まれているということの理屈じゃないかなあとすごく思うわけです。 戦後、日本はかなり成長してきて、色々なものを一杯得てきたんですが、それを失ってはじめて見えるものということから出発しなければいけないんじゃないか、そういう出会いというものをぼくらは忘れているということを先生はやっぱり仰っているんじゃないかな、と非常に思うわけです。 |
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